国際地学オリンピック参加記-2022部誌

この記事は2022年海城祭・ミニオープンキャンパスで配布した部誌に掲載したものを一部修正したものとなっています。部誌PDFはこちら

はじめに

第15回国際地学オリンピック(IESO)はイタリアをホスト国として2022年8月にオンライン大会として行われ、日本からは第 14 回国際地学オリンピックで選出された4人の代表が参加しました。私は幸いにもこの国内大会で代表に選出していただいいたのですが、国内大会では副部長が私よりもいろいろ楽しんでいたようなので、そちらの参加記については彼がとても面白い文章を書いてくれていることに期待して(こちら)、私は国際大会に関連することについて書いていこうと思います。

大会まで

代表が決まってからすぐ、IESOの過去問を解いて提出し各分野ごとに先生に添削してもらう通信研修という研修があり、問題傾向を知ったり足りない知識の補強をしたりすることができました。また、全員で集まってフィールドワークをする研修合宿が秩父と伊豆で2回あり、関東に住んでいる私は行ったことがある場所も多かったものの、専門の先生方と同じ場所を巡検すると新しい発見がたくさんあり、とても刺激的な研修でした。また、この合宿では他の代表選手とも仲が深まり、国内大会参加者に配られるのでみんな持っているプレートテクトニクストランプを使ってかるたをすることが流行しました(?)。

本番⓪ はじまるまで

約1週間ある大会期間は、つくばで全員で集まってオンラインで参加しました。国によっては選手それぞれの自宅から参加しているところもあり、日本は狭くて便利だなあと感じました。最初に開会式がありましたが、これがなかなか始まらなくて、開催地であるイタリアのアオスタという場所の山や天文台の映像を5周くらい見ました。おかげで構成をだいたい覚えました。

始まらない開会式

本番① DMT(Data Mining Test)

最初に合計6時間の個人試験がありました(きつい)。オンラインになる前は筆記試験であったものが、色々なインターネット上のサイトから自分で情報を探して答えようという形式に変わったものです。前例が去年の大会しかないので不安がありましたが、私自身は大きなミスをすることなく落ち着いて解くことができました。

本番② ESP(Earth System Project)

この競技はいろいろな国の選手でチームを組み、選んだテーマについて協力してスライドを作って発表するというものです。私が参加した中では唯一他の国の代表とコミュニケーションをとる機会があり、とても刺激的でした。

ESPで自分のパートを発表

本番③ NTFI(National Team Field Investigation)

実地開催の場合には他の国の選手と一緒にフィードワークをしてその内容を発表する競技があるのですが、NTFIはその代わりに各国ごとに事前に調査をして発表するというものでした。日本チームは、伊豆半島周辺にある火山の火口の分布のパターンを調べるという発表をしました。国ごとに発表に個性があり、これはオンライン大会ならではのものだなと感じました。

本番④ そのあと

これらの日本チームが参加した競技は大会期間の前半に詰め込まれていたので、後半は閉会式まで特にやることがなく、みんなで筑波山に登ったり(曇りすぎてて何も見えませんでしたが)、国土地理院やプラネタリウムがあるつくばエキスポセンターに行ったりしました。閉会式では各競技の結果発表があり、私はDMTで上位だったのでコメントをする場面があってとても緊張しました。例年では閉会式で日本チームは伝統(?)のピカチュウダンスをするのですが、今回はその隙がなかったので、閉会式後に日本選手みんなで踊った動画を全体のDiscordに貼り付けることでなんとかアピールできました。

雲で何も見えない筑波山頂

おわりに

この記事を読んで少しでも興味を持ったそこの君!次の第15回日本地学オリンピックにぜひ応募しよう!今年は小学生からでも参加できるらしいですよ!(第15回日本地学オリンピックの申し込みは終了しました)

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