研究紹介-おとめ山公園

こんにちは。部長の青山です。今日は、僕の研究であるおとめ山公園の研究についてお話ししたいと思います。

おとめ山公園は高田馬場にある新宿区唯一の湧水なのですが、ココが私達の研究場所になります。テーマは「新宿区立おとめ山公園における湧出量減少の要因とメカニズム」最近湧出量が少なくて、この原因を突き止めようというのが研究の趣旨です、

まず、本研究の柱を3つほど。

一つ目が、湧出量が減っているのか。コレは色々と解釈が出来ますよね。湧出量が減っていても、雨が降っていないせいであって、実質的な地下水流動形態に変化は無いかも知れない。でも、同量の雨が降っても過去のように湧出量が増えなかったら…湧出量が減っていると言うことが出来ますよね。

二つ目が、水温と湧出量減少の関連について。水温って、降雨時以外大きな変動は無いのですが、湧出量が減少した時に1度を超える水温の低下が数回見られました。「湧出量が減少する時に水温が低下する」コレが示すのは、「水温の高い成分が減少した」ということ。湧水の水温は10度台前半が多いのですが、おとめ山公園は16〜20度。つまり、おとめ山公園の湧水には以前から水温の高い成分が存在する可能性があるのです。この状態で水温の高い成分が減少したら…水温は下がりますよね。そして成分が減ったのだから当然湧出量も減少する。このような仮説を立てています。

三つ目は、湧出量減少時だからこそ、地下水流動形態の解明が出来るのではないか。ということです。1月下旬に総雨量45ミリ程の降雨があったのですが、降雨後湧出量は急激に増えます。しかし、しばらくすると湧出量が減ってくる。そして次第に降雨前の湧出量に戻っていきます。この一連の流れにおける、湧出量の推移がハイドログラフに非常によく似ているのです。ハイドログラフは河川の流量に良く使われますよね。降雨があって、急激に流量が増えたあと、次第に戻って降雨以前の流量まで低下する。そんなグラフです。そして注目すべきなのは降雨以前、そして降雨後しばらくした流量を「地下水流量」又は「基底湧出量」と呼び、降雨の有無に関係なく常に河川に水を供給する流れのことである。という点です。コレをおとめ山公園に当てはめれば1月下旬の降雨以前、そして降雨後しばらくした流量をおとめ山公園における地下水流量と言えるのでは無いか。という事になります。河川の話をおとめ山公園に当てはめれば、という前提の上に成り立つものですが…

このような事を考えながら、研究を行っています。このページを読んでくださり、ココが違うとか、こうすれば良いなどというご意見がありましたら是非お問い合わせフォームよりお願いします。研究の参考にさせて頂きます。