「東京都で化石が採れるなんて嘘でしょう?」
「ビル街のどこに化石あるんだい?壁面のアンモナイトでも見て満足してるのかい?」
「まさかぁ大森貝塚の貝持って来て化石採れた!なんて言わないよなぁ?」
このような声をかけられて日々を過ごしている班員たちですが、皆様の中にも「本当に採れるのか?」と疑問に思われた方も多くいらっしゃると思います。しかし決して採集できるポイントは多くないものの実際に採集することが可能なのです!
それらの化石の多くは多摩川の河床にて採集することができます。なぜなら川は化石を我々が発見する上で重要なプロセスに関与しているからです。そのプロセスをざっくりと解説していきます。
左図の横に走るカラフルな線は地層を、群青の地層に入った緑色の丸は化石を表していると思って下さい。
生物の死後、海底や湖底にある死骸の上に土砂が堆積すると様々な条件を経て化石が生成されます。
とはいえこの状態では化石の存在は地上からは分からず我々の目に止まることさえありません。
しかし長い歳月の後に川(水色)が地層を削っていくと化石の入っている群青の地層まで河床が低下します。このようになると川の水位が下がった時に化石が我々の目に触れるようになります。こういった場所に出向く、これが東京都での採集の主なパターンです。
また実際には山中に露頭が出現している箇所や人為的掘削(採石場など)によって露頭が出現している箇所などもあり産出の形態は多岐に及んでいます。
なお本HPでは産地の所属する市区町村名(Ex:〇〇県××市)のみの記載を原則とします。