日野 地質構造解説

浅川

日野台地は多摩川とその支流である浅川に挟まれた台地であり,約15万年前の下末吉海進の時代に形成された浅川や秋川の扇状地が侵食されたものである。

日野台地を細分すると,一つ目の図のように複数の地形面に分けられる。それぞれの地形面の詳細な説明はここでは省略するが,最上位の多摩平面・日野台面が最も古く,最も低い(川に近い)栄町面はより新しい時代に形成されたものである。

2つ目の図は,1つ目の図のCDの線における断面図である。この地層の中で,上総層群は比較的透水性が低い(水を通しにくい)地層で,その上位の段丘砂礫層(かつての多摩川や浅川が形成した扇状地に由来する)や最上位の関東ローム層は透水性が比較的高い(水を通しやすい)ので,上部から浸透してきた雨水が砂礫層内に溜まりやすく地下水となる。この地下水は同じ地層(帯水層)中でもより低い場所へと流れるので,CD断面図上では左へ流れ,黒川(清流)公園があるような崖で湧水として湧出する。(日野台地に限らず,武蔵野台地でもほぼ同様の地質構造なので,都内の湧水のほとんどはこれと同様の仕組み。)

そのため,湧水がある場所は段丘面の境界に並ぶことが多い。今回の巡検で訪れる湧水地点の中で,中央図書館下湧水は豊田面と栄町面の境界に位置するが,黒川清流公園,山王下公園,清水谷公園はいずれも多摩平面と豊田面の境界に位置している。訪れる際には段丘面を感じながら歩いてみてはいかがだろうか。

引用:

角田清美「日野台地の地形と自由地下水」2012年http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/33100/rcr048-04-sumida.pdf

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