日野 地質構造解説

浅川

日野台地は多摩川とその支流である浅川に挟まれた台地であり,約15万年前の下末吉海進の時代に形成された浅川や秋川の扇状地が侵食されたものである。

日野台地を細分すると,一つ目の図のように複数の地形面に分けられる。それぞれの地形面の詳細な説明はここでは省略するが,最上位の多摩平面・日野台面が最も古く,最も低い(川に近い)栄町面はより新しい時代に形成されたものである。

2つ目の図は,1つ目の図のCDの線における断面図である。この地層の中で,上総層群は比較的透水性が低い(水を通しにくい)地層で,その上位の段丘砂礫層(かつての多摩川や浅川が形成した扇状地に由来する)や最上位の関東ローム層は透水性が比較的高い(水を通しやすい)ので,上部から浸透してきた雨水が砂礫層内に溜まりやすく地下水となる。この地下水は同じ地層(帯水層)中でもより低い場所へと流れるので,CD断面図上では左へ流れ,黒川(清流)公園があるような崖で湧水として湧出する。(日野台地に限らず,武蔵野台地でもほぼ同様の地質構造なので,都内の湧水のほとんどはこれと同様の仕組み。)

そのため,湧水がある場所は段丘面の境界に並ぶことが多い。今回の巡検で訪れる湧水地点の中で,中央図書館下湧水は豊田面と栄町面の境界に位置するが,黒川清流公園,山王下公園,清水谷公園はいずれも多摩平面と豊田面の境界に位置している。訪れる際には段丘面を感じながら歩いてみてはいかがだろうか。

引用:

角田清美「日野台地の地形と自由地下水」2012年http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/33100/rcr048-04-sumida.pdf

高田馬場 清水川を歩いてみた件

こんにちは。部長の青山です。

もう一週間くらい前になるんですかね。後輩と部活の帰りに近くの暗渠を歩いてみようという話になりまして。ちょうど山手線に沿って流れる暗渠があったので歩いてみました。

ことの発端は部で購入した 本田創 東京「暗渠」散歩(実業の日本社、2021年) です。とにかく新しい本なんですが、最近こういう本多いですよね。スリバチ散歩とか…

さて、そんな東京暗渠散歩は水系別に暗渠が書かれているというシュールな構成なのですが、おとめ山野湧水が注ぐのは…はい、神田川ですよね。ということで学校の近くの神田川水系の暗渠を探してみました。

そしたらちょうどいい暗渠を見つけたんですよ。清水川。河川界の山田太郎みたいなネーミングですが、気になったので行ってみました。東京暗渠散歩の地図によると山手線とほぼ平行に流れています。山手線は高田馬場付近で神田川と垂直に交わっていて、一方の清水川はその地点で神田川都合流します。

歩いてみると案外普通の道です。暗渠かただの道か、見分けるのは難しそうです。気になったのは駅付近。暗渠の上に敷かれている道は早稲田通り(高田馬場の駅前の道ですね)を挟んで目白側にはありませんでした。代わりに地図上の暗渠と同じ場所に駐輪場があります。コレは….暗渠臭がすごいです。一度利用したことがあるんですが奥に長いんです。うん、暗渠の上に作ったのでは無いでしょうか。

最後に神田川との合流地点。

神田川との合流地点は立入禁止だった

写真中央の突き出したパイプが清水川では?

ちなみに目白通りと山手線が交差する近くには清水川公園というのがあります。この清水川から名付けたのでは?と勝手に思っています。

それでは。

[保存版] 新宿区立おとめ山公園完全ガイド

湧水好き視点

おとめ山公園

  1. はじめに
  2. 地形的解説
  3. 歴史
  4. 湧水
  5. 水質と地学部の研究
  6. アクセス
下の池

1.はじめに

 新宿区立おとめ山公園は高田馬場から徒歩7分ほどの場所にありながら、新宿区唯一の湧水が現存しています。こんこんと湧き出す清水と美しい緑は都会の喧騒を忘れさせてくれます。

今回はそんなおとめ山公園について詳しく深掘りしていきます!

2.地形的解説

 本項ではおとめ山公園を地形的に解説していきます。まずは国土地理院地図のツールから作成したこちらの3Dモデルをご覧ください。

おとめ山公園を矢印で示した

 お分かり頂けましたか?「下落合」という文字が重なっている場所がおとめ山公園になります。河川の侵食により形成された連続する崖を「崖線」と呼びますが、写真内中央を流れる神田川によって形成された崖線がくっきりと写っています。この崖線を特に「落合崖線」と呼び、文京区まで至っています。

 崖線上におとめ山公園がある。これはすなわち、園内に大きな高低差があることを意味しています。では、なぜ高低差が湧水を生み出すのでしょうか。こちらの図を御覧ください。

武蔵野礫層は黄緑で表されている

 おとめ山公園の湧水における主な帯水層(地下水が滞留している層)は武蔵野礫層になりますが、本来これは地表面から数メートル下に存在します。しかし、先程の高低差が武蔵野礫層を露出させるのです。これが、地下水が湧き出す理由です。

3.歴史

 おとめ山公園の歴史は江戸時代まで遡ります。

 江戸時代、おとめ山一帯では将軍家による鷹狩が行われ、庶民の立ち入りが禁止されていました。この時の立ち入り禁止を意味する「御留」が現在のおとめ山の由来となっています。ちなみに当時、落合地域ではホタルが有名で「落合ほたる」と呼ばれていました。現在でも近隣住民の方々が主体となってホタルの養殖を行っています。

歌川国貞 「江戸自慢三十六興」 「落合ほたる」

 明治時代に入ると徳川家が所有していたおとめ山一帯の土地は相馬家と近衛家が所有することになります。特に相馬家が所有した西側では、長岡安平によって落合崖線の高低差を利用した回遊式庭園が作庭され、現在のおとめ山公園にはこの頃の面影が残っています。

 戦後、地元の方々の保全運動により新宿区立おとめ山公園が開園しました。現在では新宿区唯一の湧水となっています。

4.湧水

上の池

 おとめ山公園は湧水が育むせせらぎが大きな魅力なわけですが、そんな湧水について詳しく書いておきます。

おとめ山公園の湧水で特記すべきは新宿区唯一であること(3回目笑)。そして東京の湧水57選に選ばれていることでしょうか。東京の湧水57選には清正井やママ下湧水など錚々たる湧水が名を連ねています。

湧水は上の池からさらに上った最上流部が、こんこんと湧き出す様子を間近で見ることができ、最もわかりやすいですが、湧出自体は園内を流れる小川に沿って北側の崖から確認することができます。

5.水質と地学部の研究

観測の様子

さて、海城地学部では13年間に渡り、週5日おとめ山公園の湧出量観測を行っています。さらに周辺の井戸をお借りした水位や水温の計測も。そんなわたしたちだからこそ分かる、おとめ山公園の湧水を全解剖していきたいと思います!

 おおよそ水質や湧出量についてはこんなところです。水温の変動が少ないのは湧水ならではといったところです。ここで2つほどピックアップして説明します。

 まず、pHを御覧ください。6.9です。そう、少しだけ酸性であることがポイントなのです。(中性は7ですね。)これは、地下に住む微生物が理由と言われています。微生物は呼吸の際に二酸化炭素を排出するわけですが、二酸化炭素は酸性です。つまり、「地下水は酸性の二酸化炭素に触れながら浸透するので酸性を帯びる。」ということです。

 続いて湧出量平均のグラフを御覧ください。が多いですね。これは、東京の季節別降水量と一致しています。つまり台風による降水量の多さが湧出量にも現れているということです。

6.アクセス

ここまで読んできて行ってみたいと思った方のため、簡単にアクセスを。

JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線高田馬場駅 ・・・徒歩7分
西武新宿線下落合駅・・・徒歩10分
JR山手線目白駅 ・・・徒歩10分

どの駅からも、一本道が多いので道に迷うことはないかと思います。

最後に。

公園の案内は新宿区が公開しているこちらがおすすめです。

地学部のおとめ山公園での活動に興味を持っていただいた方はこちらもご覧ください。

第2回天体観測会(火星観測会)

11月9日の夜に天体観測会をオンライン(部員がそれぞれの自宅で星を見ながらGoogle Meetで会話する)で開催しました。9月頃に第1回の観測会を開いたので、今回は2回目となりました。

更新者:2年佐藤

第3・4回天体観測会と第1~4回天体観測会の振り返りの報告はこちら→https://kaijo-chigaku.com/%e7%ac%ac3%e3%83%bb4%e5%9b%9e%e5%a4%a9%e4%bd%93%e8%a6%b3%e6%b8%ac%e4%bc%9a%ef%bc%86%e7%ac%ac1%ef%bd%9e4%e5%9b%9e%e5%a4%a9%e4%bd%93%e8%a6%b3%e6%b8%ac%e4%bc%9a%e3%81%ae%e6%8c%af%e3%82%8a%e8%bf%94/ (変光星ミラや火星の接近に関することも書いてあるので是非ご覧ください)

第5回以降の観測会の報告はこちら→https://kaijo-chigaku.com/category/astronomy/%e5%a4%a9%e4%bd%93%e8%a6%b3%e6%b8%ac%e4%bc%9a%e3%81%ae%e5%a0%b1%e5%91%8a/

今回やる予定だった事は、変光星ミラの観測、火星の観測などでした。しかし、悪天候などの理由により、あまり見られる星がありませんでした。


 まずは火星の観測。最近、南東の方向に赤い明るい星が見えると思います。あれが火星です。観測会の時は少し天気が悪かったものの、明るかったのですぐに見つける事ができました。一部の人は部員に貸し出した望遠鏡で火星をのぞいて見たそうです。


 次にアルデバラン(牡牛座にある一等星)の観測。僕は見られなかったのですが、一部の部員がアルデバランを見つけ、見ていました。


 しかし、悪天候や光害(都市部で街灯や建物の電気などが明るくて暗い星が見えなくなる事)などにより、今回のメインイベントになるはずだった変光星ミラを見る事ができなかったのが少し残念でした。ですが、部員に星空を見る事がいかに楽しいかを実感してくれたので良かったです。