水理実験装置「emriver」の活用-2022部誌

この記事は2022年海城祭・ミニオープンキャンパスで配布した部誌に掲載したものを一部修正したものとなっています。部誌PDFはこちら

はじめに

こんにちは、地学部水文班の者です。今日は地学実験室で大きな存在感を放つ水理実験装置「emriver」についてご紹介します。

「emriver」とは?

emriverとは、河川を対象とした水理実験と地学教育を目的とした米国製のジオモデル(1)です。日本にも約20基が設置されており(2)、そのうちの一つが海城学園にあります。emriverは、畳1枚分の大きさの箱庭のようなもので、粗粒砂と極粗粒砂のプラスチック製の砂を使ってさまざまな地形を再現し、水理実験を行うことができます。水量や海水面調整もできます。地学の授業でもemriver を用いた災害学習を行っています。日頃の授業で学んだことをemriver で実際に体験することで、生徒は地学の理解を深めています。

水理実験装置

物理部との共同研究

地学部では、emriver を用いたさまざまな実験を行っています。実験では、水流による地形の変化を計測するのですが、刻々と変化する地形を正確に計測することは困難を極めます。そこで、最近は物理部との共同プロジェクトとして、センサーカメラとプロジェクターを用いて、形成された地形の高さを測定し、これを色分けした映像をemriver に重ね合わせて投影する取り組みを始めました。このプロジェクトが順調に進めば、地形の変化をリアルタイムかつ高精度に計測し、その結果を目の前に表示できるようになり、実験のレベルを格段に高められることでしょう。また、この映像を記録することで、過去の実験結果を振り返れるようになり、より研究が簡単にできるようになるでしょう。

プロジェクターの試運転の様⼦
物理部のM君が書いたプロジェクターのコード

まとめ

このように、emriverは海城学園内で有効に活用されています。しかし、その活用方法については、まだ多くの可能性があると私たちは考えています。私たち、そして後輩たちがemriverの活用の可能性をさらに拡げ、今後もemriverが大いに使われていくことを切に願っています。

参考文献一覧

[1] 七山太、『地学教育教材 Emriver ジオモデルのご紹介と 若干の水理学的考察』SJ 地質ニュース Vol.4 No.5 p.139、2015 年

[2] 塩田氏の話による(海城学園入試広報室)

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